2007年07月19日

バイオ燃料

何かと話題の「バイオ燃料」。

バイオエタノールの需要が増えて、農家が収益性の高いサトウキビとかに転作したおかげでオレンジジュースの値段が上がったとかで、「新たな食糧問題を引き起こす」という話もありますが、個人的には食料でないものから作るように変更されるだろうと思うし、「食料価格が上がる&バイオエタノールがもっと普及して価格が下がる」という状態になれば、転作する旨味もなくなり、ある程度のところに落ち着くだろうしで、それほどひどいことにはならないんじゃないかと予想してます。

<追記>
「サトウキビ」じゃなくて「トウモロコシ」だったみたい。「サトウキビ」もあったと思うんだけど…。

こんな↓ニュースもあったし。バイオエタノールじゃないけど。
バイオ燃料 毒植物が主役に 日欧企業相次ぎ栽培 [Yahoo!ニュース]



それよりも、個人的に気になってるのは、バイオ燃料の利点を説明するときによく言われる「CO2 は排出されますが、その CO2 は原料となる植物が吸収したものなので、トータルでは差し引きゼロとなり、温暖化に悪影響はない」というような説明。

それって本当に「トータルな」話なのか?
例えば、これまで荒れ地だったり食料用の植物を栽培していた土地で新たにバイオ燃料用の植物の栽培することになったとする。

荒れ地だったり食用植物を栽培していたときは、そこの土地の植物は(燃やされないので) CO2 を吸収する一方で排出することはなかった。しかし、その土地がバイオ燃料用の植物の栽培に切り替えられると、吸収した分は排出されることになる。

従って、「吸収する一方」だったものが、「吸収しなかったのと同じ」に変わることになり、結局その分だけ、地球全体の植物が持つ CO2 吸収力が落ちるわけで、トータルで見た CO2 排出量は増えるんじゃないか、という気がするんですが。

もちろん、ちゃんと考えるともっと複雑なんでしょうが、少なくとも「排出されるのは吸収した分だけだから悪化させることはない」というのは、話が単純すぎておかしい気がするなぁ。

これってなんか、「住民税は増えてますが、その分所得税が減ってるのでトータルでは変わってません」と言っておきながら、他方で定率減税を廃止してるので、本当のトータルでは大増税になってる、というどこかの国の詐欺的手法と似てる気がするんですが。気のせいでしょうか?

<追記2> 8/18
バイオ燃料より植林が効果的 温室効果ガスの削減[gooニュース]
posted by vagus at 14:42| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | チラシの裏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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