2006年07月25日

藤川の意図

かなり遅くなったがオールスター第2戦の話。

清原と球児の対決については、自分なんかが安っぽい言葉ならべるより、当事者の一人が当事者ならではの言葉で語ってくれてるので、そちらを読んでください。

ここではちょっと別の話。
球児が試合前に清原にバックスクリーンへのホームランを打たれたいと言っていたが、自分はそのことの意図がよく分からなかった。

「尊敬する清原のオールスター三冠記念 HR に一緒に名前を残すことができるのは自分にとっても光栄なことだから」とかそんな感じかと思ったが、どうもいまいちピンとこなかった。
「打たれたい」ってどういうことやねんと。
仮に清原に花を持たせようと思っているんなら(つまり手を抜いて打たせようとするんなら)、それは誰より清原が一番怒ることは球児もよく分かってるはずだろう。
ならば、何で打たれたいのか?

清原が三振したときの表情から見ても、対決後のインタビューでも、球児は本気で清原にホームランを打たれたいと思っていたように見えた。
ピッチャーなら誰でも「打たれたくない」と思うはずなのに。

初め全然わからなかったが、対決後のインタビューやらニュース記事やらを見てようやく分かった気がした。

どこで見たのか忘れたが、今シーズン、球児はモチベーションを維持するのが難しいと漏らしていたというのを読んだ。
対決後のインタビューでは「打たれればまたそこから得るものがあるかもしれない」というようなことを言っていた。

それで「そういうことか」と思った。

多分、今の球児には「打たれる、怖い」と思わせてくれるような打者がいないんだろう。こう言ってしまえば傲慢に聞こえるだろうが(だから球児もはっきりとは言わないんだろうが)、「打たれる気がしない」んだと思う。だから「モチベーションを維持するのが難しい」んだろう。今のままで抑えられてしまうから、自分を追い込む必要性を感じなくて、ほっとけば自然にモチベーションが下がってしまうのを何とか下がらないようにと苦労している、ということだろう。

だからこそ、「自分の本気のストレートが打ち返されるかもしれない」と感じさせてくれる数少ない打者の一人である清原との対決が楽しみだったんだろう。
そして、自分の本気のストレートをホームランされてこそ、「自分はまだまだだ」と思うことができ、そこからまた成長することができると考えたのではないかと。だからこそ「打たれたかった」のだと。
また、「自分が現在のように成長できたのは、去年清原さんに下品な一言を浴びせられたからだ、そのお陰で今の自分がある、あれをもう一度」という思いもあったんだと思う。

自分で言うのもなんですが、これ、多分合ってると思います。
ぶっちゃけ、球児はもう日本には敵がいなくてつまらなくなってきてるんだろうな、と。

となると、これは下手すると、来年アメリカ行っちゃってるかも分からんね。
自分はそれならそれでもいいけどね。

<おまけ>
清原が新庄についても語ってくれてますね。
これも誤解されがちな新庄に対する非常にいいフォローになってると思う。
posted by vagus at 11:59| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 野球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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